■カンバセイション・ピース/保坂和志(新潮社)
幼少時の記憶や一族の歴史が「気配」として今も息づく古い家に暮らすことになった作家の「私」は、時空を超えた生のシンフォニーを聞く…。『新潮』連載に加筆し単行本化。 もの凄く浅い読み方をすれば、単なるおじさんの一人語り小説。 深く読めば日々の暮らしの中での、生命のつながり…に付いての考察? というよりも普段の日常風景を小説という形で落とし込んだものとでもいうのかな? 一人でいるときや会話をしている時に人は多かれ少なかれ何かを考えているわけで、 何か一つの事象に対しての思考があり、そこからまた別の何かが立ち上がり思考し…と 延々と外界からの刺激や記憶の喚起によって思考は終わる事を知らなくて とりとめのない思考の流れによって"場"が作られ、時間は淡々と過ぎていく。 その思考の流れの中で『私』が何を考え、どう感じたかを只ただ綴った物語。 だからこの話には良くも悪くも起承転結がない感じ。 まぁ、こんな考えたりはしてないけどドラマみたいな事が起きない日常なんて こんなもんだよな。 ここ(ほぼ日刊イトイ新聞:対談)で作者が語っているので この本で何を表現しようとしたかが分かるかも? 気軽に読む本ではないです。ちょっと疲れたよ。
by phlogiston-76
| 2005-06-20 22:02
| BOOK
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